
八代には語り継ぎたい雛がある
松井家のお雛様
「松浜軒」は、元禄元年(1688)に八代城主松井家が作った庭園です。すぐれた景観を持つ名園であることから、国名勝に指定されています。雛祭りの時期には、松井家に伝わる江戸時代のお雛様が庭内の展示室に飾られます。
このうち、もっとも注目したいお雛様は、天保9年(1838)に江戸から嫁いできた琴姫のお雛様です。琴姫は、松井家10代章之の夫人で、八代に来てはじめて迎える雛祭りのために、京都から5組ものお雛様が取り寄せられました。そのうちの1組を含む各時代のお雛様4組が展示されます。江戸時代には、八代城内に盛大に飾り付け、城下町の人たちに公開されていたようです。
八代城と八代城下町
市の中心部に本丸跡を残す八代城は、元和8年(1622)に完成し、来年築城400年を迎えます。国指定史跡であり、「続日本100名城」の一つにも認定されていることから、お城ファンの人気が集まっているお城です。
その周りに広がった八代城下町は、熊本城下町に次ぐ城下町として繁栄し、今も歴史あるお寺や神社がたくさん残っています。国指定無形民俗文化財で、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「八代妙見祭の神幸行事」へ出される笠鉾や亀蛇、獅子舞などは、江戸時代の八代城下町から出されてきたもの。当時の繁栄を今に伝える貴重な遺産です。
笠鉾の歴史をまぢかに
笠鉾は9基あり、それぞれ飾りも構造も異なっています。妙見祭が「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されているのは、笠鉾が出る祭りだからです。
9基のうち、笠鉾「蘇鉄」と笠鉾「西王母」をじっくり見学できる展覧会が八代市立博物館で開催されます。どちらも健康や長寿、天下泰平の願いが込められた笠鉾です。松浜軒のお雛様とあわせてご覧いただければご利益も倍増かも?
たくさんの文化遺産を一度に味わうことができる、城下町八代ならではのお雛祭りをお楽しみください。
松浜軒/松井文庫[企画展]
「松井家の雛祭り」
会期 | 令和3年1月30日(土)〜3月28日(日) |
会場 | 松浜軒/松井文庫(驥斎展示場) |
所在地 | 八代市北の丸町3-15 |
開園時間 | 9:00〜17:00まで(ただし入園は16:30まで) |
休園日 | 毎週月曜 |
入園料 | 大人500円 小中学生250円 |
お問合せ先 | TEL:0965−33−0171 |
八代市立博物館未来の森ミュージアム[特別展]
「笠鉾大解剖3 -蘇鉄と西王母-」
会期 | 令和3年2月5日(金)〜3月21日(日) |
会場 | 八代市立博物館(特別展示室・第二常設展示室) |
所在地 | 八代市西松江城町12-35 |
開館時間 | 9:00〜17:00まで(ただし入館は16:30まで) |
休館日 | 毎週月曜 |
入館料 | 一般400円 高大生300円 ※小中学生無料 |
お問合せ先 | TEL:0965−34−5555 |
特別講演会
演題 | 「笠鉾のヒミツに迫る!~笠鉾蘇鉄と西王母を中心に~」 |
講師 | 早瀬輝美(本館学芸員) |
日時 | 令和3年2月14日(日) 14:00~15:30 |
場所 | 博物館講義室(聴講無料) |
定員 | 30名(申込先着順)※電話による事前申込が必要です。 |
申込期間 | 令和3年2月1日(月)より(9時から17時)※定員に達し次第締め切ります。 |
■松井家の雛祭り http://www.kinasse-yatsushiro.jp/topics/detail/86
■笠鉾大解剖3 -蘇鉄と西王母- http://www.city.yatsushiro.kumamoto.jp/museum/event/2020/2020_win.html