八代には語り継ぎたい雛がある
~24回目のお雛祭りに寄せて~
八代市が誇る国指定名勝「松浜軒」は、元禄元年(1688)、八代城主松井直之が、母崇芳院のために築いた茶庭です。松並木の浜辺が近かったことからその名があります。
松浜軒では、毎年雛祭りの時期に、庭内の展示室に江戸時代の雛人形が飾られます。今から26年前、市博物館では、松浜軒のお蔵に入っている古い雛人形や雛道具を全部出していただき、調査を行いました。その結果、これらの制作年代や由来、数量などが明らかになり、翌年から雛飾りの充実を図ることができました。博物館の常設展でも関連展示を始めたことを機に、市観光課も加わり、松浜軒と博物館、中心市街地を結んだ「城下町やつしろのお雛祭り」が始まりました。平成15年2月のことです。それから日奈久も加わり、こうして回を重ねていただいていることに、八代の文化力の奥深さを感じます。
松井家に残る雛人形の中でとくに注目しているのが、松井家10代目章之の夫人琴姫のお雛様です。琴姫は、熊本藩主細川家初代幽斎の息子興元を初代とする茂木細川家(下野国谷田部藩主)の姫で、天保9年(1838)に江戸から嫁いできました。調査の結果、天保10年3月に京都から取り寄せたお雛様が5組もあることがわかりました。心細い思いをしているかもしれない琴姫を喜ばせたいと、初めて迎える雛節句のために章之が用意したのではないかと想像しています。
松浜軒には、章之・琴姫夫妻の長女加屋姫のお雛様[天保11年(1840)製]、孫娘こう姫のお雛様[元治2年(1865)製]などが飾られています。いずれも琴姫のお雛様と同じ京都の人形店から取り寄せたもので、娘たちに対する愛情深さを物語っています。
松浜軒内には、子どもの無事な成長を願って、天明元年(1781)に建立された「児宮」もあります。時代は変わっても「大切な人が健康で幸せでいてほしい」という願いは、今も昔も変わらないことを伝えています。ぜひ大切な方と一緒に見ていただきたいお雛様です。
(八代市立博物館未来の森ミュージアム学芸員 山﨑摂)
展示
松浜軒/松井文庫[企画展]
「松井家の雛祭り/八代焼いろいろ」
| 会期 | 令和8年1月31日(土)~3月31日(火) |
| 会場 | 松浜軒/松井文庫(驥斎展示場、第二展示場) |
| 所在地 | 八代市北の丸町3-15 |
| 開園時間 | 9:00〜17:00まで(ただし入園は16:30まで) |
| 休園日 | 毎週月曜(月曜が休日のときはその翌日) |
| 入園料 | 大人500円 小中学生250円 |
| お問合せ先 | TEL:0965−33−0171 |
お祭りでんでん館[八代市民俗伝統芸能伝承館]
「妙見祭の魅力紹介〜妙見祭の馬〜」
| 会期 | 令和7年12月23日(火)~令和8年4月5日(日) |
| 会場 | お祭りでんでん館(お宝ギャラリー) |
| 所在地 | 八代市西松江城町1ー47 |
| 開館時間 | 9:00〜17:00まで(ただし入館は16:30まで) |
| 休館日 | 2/16(月)・24(火)・3/2(月) |
| 入館料 | 無料 |
| お問合せ先 | TEL:0965−37−8737 |
※トップページの雛人形は保存のため、今年は展示いたしません。
やつしろのお雛祭り特別講座
松井文庫のお雛様や婚礼道具の調査からわかった松井家のお姫様たちの暮らしぶりについて、市博物館学芸員が語ります
講師 やまさきせつ
(八代市立博物館未来の森ミュージアム学芸員)
〈やつしろのお雛祭り特別講座〉 ※要事前申込
「八代城主松井家のお姫様たちのおしゃれ事情―着物の文様からわかること―」
| 会期 | 令和8年2月21日(土) 14時~15時30分 |
| 会場 | 八代市役所本庁舎3階301会議室 |
| 所在地 | 八代市西松江城町1-25 |
| 定員 | 40名(事前申込が必要です) |
| 申込・問合せ | TEL:0965−37−8005 (城下町「やつしろ」のお雛祭り実行委員会事務局) |
熊本県八代市指定有形文化財「澤井家住宅」
生涯学習館 寺子屋「西小路」
やつしろのお雛祭り期間中 土日のみ開館
明治35年頃の物から昭和38年の雛人形・雛飾りが展示。県内でも数少ない武家屋敷も見学できます。
| 開館時間 | 10時~16時(期間中の土日のみ) |
| 会場 | 生涯学習館 寺子屋「西小路」 |
| 所在地 | 八代市西松江城町6-6 |
| 入館料 | 100円 |
2月14日(土)オープニングイベント開催! 入場無料
◎10時~ 満開の梅観賞 お雛様観賞
◎14時~ 白百合学園高等学校筝曲部生演奏
(庭からの観覧になります/雨天時館内観覧)
◎お抹茶30セット振る舞い
◎トマト配布 など

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