◎大賞
開戦の年号薄れ雛の箱 船山文子様
一般の部
◎秀作
色ガラス澄みて聖堂冴え返る 今村雅美様
一対の雛の眼同じ海を見て 佐藤さよ子様
故郷の山に一礼雛流す 長岡竹子様
◎入選
蓋取りて雛の歳月動き出す 宇都由美子様
白酒をとろりとろりと夜風かな 石田泰子様
来たかった雛の町に母
を連れ 白木智子様
玻璃越しに明治の雛の衣の朱 清水正子様
雛飾る漢の指の長さかな たにきみこ様
ジュニアの部
◎秀作
空の青密かに映すいぬふぐり 岩田彩里様
雛人形今にも動くイマジナリー 瀧本沙羅様
啓蟄に片付け急かす姉と母 元山昂大様
◎入選
雛祭りこの日が私を花にする 吉川心彩様
雛人形怖く思えたばあちゃん家 豊田悠生様
雛壇を見上げる私はもういない 山本結仁様
雛人形十七回目のご対面 春野薫子様
八代の永遠に受け継ぐ雛祭り 田中翔大様
◎選者特選
【前山光則選】
黒板に残る賢治の詩早春 清水明美様
【山下しげ人選】
ひなあられ仲がよすぎてする喧嘩 中島さより様
【米村恒憲選】
献花台亜紀さん雛がお出迎え 堺順子様